旅行日記 その5
旅日記 その5
【10/5 2日目 屋久島】
部屋の外から数人の話し声。
あっちの世界からの呼びかけか?と多少不安になり。
「旅先で、しかも縄文杉登山の直前に金縛りってのはさすがに厳しいなあ」とか、「最近はこういう現象もとんとご無沙汰だったのに、なんでこんな日に限って・・・」とか考えながら起床。でも金縛りなんてことはなく、普通に体動いた(笑)。
声の主は宿のご主人。縄文杉登山のお客さんを起こしてまわってるだけでした(笑)。
携帯のアラームが鳴ってないってことは、まだかなり時間の余裕があるな・・・って思いながら携帯に目をやると、時刻はすでに5:00過ぎ。
路線バス出発は5:35。
あわわわ寝過ごした(笑)。普通にアラームに気づかずに寝こけてた。
まあ、前日にあらかたの準備はすませてましたので、多少寝過ごしても無問題。
宿の主人にバス停までの道を聞いて、真っ暗な夜道へ出かけていきます。
街灯ほぼゼロ。
しかも昨日より雨が強くなってるし・・・(泣)。
まずは、登山客御用達の「あさひ弁当」で朝・昼分のお弁当を購入。1000円。
そろそろバスの時間がせまってきていたので、そのまま急いでバス停へ。
バス停には、僕のほかには3人連れの観光客らしき方々がいまして、うち1人は登山ガイドさんみたいでした。
彼らの話に耳をそばだてていると、ガイドさんから「雲が流れてるから、この雨も朝中に止む」という頼もしいお言葉。雨が多い土地ですから覚悟はしてましたけど、雨に降られながら登山するってのじゃツライですからね。その言葉にすがるような思いでしたよ。
バス乗車。5:35。
宿泊地「安房」から、縄文杉登山のスタート地点となる「荒川登山口」までは約50分程度。運賃は確か620円とかそれぐらい。バス道中は山道なので、酔いやすい人は酔い止め薬が絶対必要だと思います。
出発地である「荒川登山口」到着。6:20くらい。もう空は明るくなってきてます。
で、さっそく朝食にしました。道中に朝食をとれる場所は何箇所かあるんですが、なるべく早く済ませておきたかったもので。
周りの登山客も、思い思いに朝食とったり、準備体操したりしてました。だいたい80人くらいだったかな?これだけ人がいれば、ガイドなしで登っても迷うことはないだろうと一安心。
朝食を済ませ、ついでに小用も済ませ(登山口には立派なトイレがあります)、いよいよ縄文杉登山スタート。
バス停でガイドさんが言っていたように、雨は少しずつ小降りになり始めていて、降ったり止んだりを繰り返している感じ。その都度レインウェアを着たり脱いだりするのは面倒だった(笑)。
雨のせいで、いたるところで水をかぶる羽目になったり、ぬかるみに足をとられたりしましたが、そのかわりに増水した川の迫力を楽しめたりとか、なかなか得がたいものを見ることができました。
縄文杉登山、序盤はひたすらトロッコ道を歩きます。道はゆるい上り坂。
道中、作業用のトロッコとすれ違いました。観光ガイドブックには「運が良ければトロッコに出会えるかも♪」って書いてありまして、見かけたときにはちょっとうれしく思ったりもしたんですが、乗ってるおっさん達は仏頂面だったし、トロッコをかわすためにぬかるみにハマったりと、もう踏んだりけったり(笑)。
「運が良ければトロッコに出会えるかも♪」
「運悪いとトロッコと鉢合わせするかも(笑)。」
途中、何度も橋を渡る箇所があるんですが、高所恐怖症の人は絶対ムリ!ってポイントが何箇所かあります。川の主流にかかっている橋は、手すりがあるものの道幅はけっこう狭いです。しかも足を踏み外したら多分落ちる(笑)。
川の支流とか小川の橋に関しては、手すりなしです(写真参照)。橋の幅は肩幅より少し広いくらい。むしろもう橋とは呼べず、木が掛けてあるだけ、って印象のとこもあった。風強い日は絶対落ちるって(笑)。僕は高いところでも平気ですが、結構びびった。
びびりながらも橋を渡り、出発から一時間くらいしてトロッコ道の分岐にさしかかりました。最初の休憩場所である「小杉谷小学校跡」に到着。
「学校跡」というと、なんとなく
「夜は墓場で運動会」してる人達がいるイメージなんですが(笑)、ただ単に広場があるだけでした。でも、こんな場所に学校があった、っていうのはやはり不思議な気分。生徒が少ないなりに楽しい学校生活だったんだろうな~と一人想像。
で、この時点で雨が完全に上がったので、レインウェアはめでたくお役御免となりました。
また、ここには湧き水があるので、持参していたペットボトルに水を溜め込んでいきます。コンビニの「おいしい水」とは一味違う、本当においしい水。
さらにトロッコ道を進んでいきます。次第に奥深くなっていく自然と、開けていく景色に湧き上がる高揚感。
で、最初の大物「三代杉」と遭遇しました。
この屋久杉は、まず一代目が何千年か前に倒木。その上に二代目が成長していったんですが江戸時代に伐採され、さらにその切り株の上に三代目が今スクスクと成長中。
倒木や切り株の上に、新たな杉が成長することを「更新」とかいうらしいですが、この屋久杉はその代表的なもの。
ドライな考えなら「ただデッカイ杉が生えてるだけじゃん」って考えに落ち着くんですけど、何千年、何世代にも渡る生命の育みには「ただデッカイ」だけじゃない何かがあります。感動。
もうちょっと眺めていきたかったんですけど、人も多かったし(なんか修学旅行生みたいなのがいた)、先を急がなきゃいけないので「三代杉」とはお別れ。
さらにさらにトロッコ道を進み、ついにトロッコ道の終わり「大株歩道入り口」へ。この時点で確か9:30くらい。
ここにはトイレがあったんですけど、自然に優しい循環式トイレとかで、
「このトイレの洗浄水は汚水を使っています」って案内がありました。汚水で洗浄、それってどないやねん、と(笑)。
で、勘弁してほしいくらい臭かった(笑)。自然には優しいかもしれんけど、間違いなく鼻腔には優しくない(笑)。
小用を済ませ、山道の入り口へ。ここまでのトロッコ道はノホホンとしたハイキングレベルなんですけど、ここから先はけっこう険しい感じの山道になります。
この先の苦労を想像ししばし休憩。ここから先は指標になるようなトロッコ道はないわけだし、遭難の危険性がググっと高まるんだろうなと考えると、ガイドをつけてない僕としては、いやが上にも緊張が増していきます。
【続く】
・・・うん、まあ、これ書いてる今になって衝撃の事実発覚。
三代杉についてアツク語ってるくせに、
肝心の写真を一枚も撮ってなかった。
ばかやろう俺(笑)。
ちなみに画像は
こちらから拝借しました。